2013年6月アーカイブ

<「その地域」の判定の実務>

「その地域」を感覚的にみたら、
次は具体的かつ理論的に判断していきます。

国税庁のHPの内容の解説はここからになります。

まず物理的な要素、
つまり目や地図で見てわかるものを判断基準にします。

具体的には川、山、鉄道、国道や県道などの広い公道です。

このようなものは地域を分断することが多いので要チェックです。

「この川渡ると別の地域だな」とか
「この鉄道は踏切が少なくて行き来しづらいから地域は分断されてるよね」とか
「この道路は広くて歩道橋でしか渡れないからあまり行き来しないよね」など、

このような物理的なものの区切りで地域のまとまりが
できているのがわかると思います。

そうするとその物理的なものを境に地域をまとめることができます。


さらに目に見えない要素、
つまり都市計画法上の用途地域、容積率を判断基準にします。

これは役所HPや役所窓口で販売されている
「都市計画図」で調べればわかります。

この時有力な判断基準になるのが容積率です。

容積率100%と80%はほぼ同じ地域の枠組みといえますが、
100%と400%は明らかに異なる地域といえます。

80%・100%は低層の住居、
400%は中高層の建物が建ち並ぶイメージです。(地価水準も違います)


また住宅地域の中の対象地の近くにブックオフ等の店舗があっても、
それが店舗の建ち並ぶ広い通り沿いにあれば、
その通り沿いの地域は住宅地域とは言えないので別の地域と考えます。

前述の感覚的な判断も併せ、
上記の手順で見ていくと、右図のように「その地域」が判断できます。

そうするとこの範囲で戸建やマンション分譲の事例を収集し、
地域分析すればよいことになります。


<「その地域」の感覚的な判断>

 評価対象地が分割されて戸建分譲されたとしたら、
その戸建を買おうと検討する人は、
どこの範囲(地域)まで比較検討するだろうか、と考えてみてください。

みなさんご自身が買うつもりになって考えるといいでしょう。

そうすると、「ここを買う人はここも買おうと検討するよね」とか、

「ここを買う人はここまで駅から遠いと買わないよな」とか、

なんとなくわかるはずです。
駅や公園、スーパーまでの距離や小学校の学区などが基準になったりするはずです。

なんとなくでいいので、まずはこの感覚で判断してみます。



広大地評価における「その地域」とは?

広大地に該当するかの診断結果を報告すると、
「そんなに広い範囲で比較、分析するんですね」という声をよく頂きます。

多くの方が対象地のごく近くでしか判断していないようです。

今回は「その地域の標準的な宅地面積に比して著しく大きいかどうか」の
「その地域」をどのように判断したらいいかについて解説します。


「その地域」については、
国税庁のホームページに質疑応答があり、
一応の見解が示されています。

以下がそれです。

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【照会要旨】
 広大地の評価において、
「その地域における標準的な宅地の地積に比して・・・」と
定めている「その地域」とは、具体的にどの範囲をいうのでしょうか。

 【回答要旨】
 広大地とは、「その地域における標準的な宅地の地積に比して
著しく地積が広大な宅地で開発行為を行うとした場合に
公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの」をいいます。

  この場合の「その地域」とは、原則として、

 ・評価対象地周辺の河川や山などの自然的状況

 ・土地の利用状況の連続性や地域の一体性を
分断する道路、鉄道及び公園などの状況

 ・行政区域、都市計画法による土地利用の規制等の公法上の規制など、
土地利用上の利便性や利用形態に影響を及ぼすもの


などを総合勘案し、利用状況、環境等が概ね同一と認められる、
住宅、商業、工業など特定の用途に供されることを
中心としたひとまとまりの地域を指すものをいいます。

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毎度のことながら抽象的なので、
これを読んだだけでは今一つピンときませんね。

ですので、次の記事で私が実務でどのように
「その地域」を判定しているかを解説します。


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2. 広大地判定で悩まないのための7つのポイント
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  ② 近隣の標準的な宅地面積に比して著しく大きいか
  ③ マンション適地か、戸建分譲素地かの見極め方
  ④ 開発道路が必要か、旗竿敷地で区画割り可能か 
  ⑤ 開発許可の基準面積未満の土地は適用可?
  ⑥ 建物が建っている敷地での適用は可能か
  ⑦ 市街化調整区域内の広大な土地は適用可能か
3. 広大地評価に影響を及ぼす行政法規とその内容
4. 広大地との重複適用項目
5. 広大地評価の誤った認識
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