土地の評価単位の分け方について

最近、土地の評価単位の分け方に関する質問が多いので
これについてお話しします。

土地の評価単位の分け方には、現況地目単位と取得者単位の2通りがあります。

取得者単位は、相続する土地を相続人ごとに分ける、ということですから簡単です。
これに対し、現況地目単位での分け方は悩ましいですね。

現況地目単位での分け方は地目のまとまりごとに1つの単位として評価します。(土地の筆は関係ありません)
ですから土地評価にあたっては、まず課税時期の利用状況に応じて「地目」を判定しなければなりません。
地目は、宅地、田、畑、山林、原野、雑種地など9ありますが、評価対象地のどこからどこまでをどの地目で評価するかの判断は困難かつ重要です。
評価のスタート時点でこの評価単位の判定を誤ってしまうと、いくら補正率を正しく計算しても、広大地評価を適用しても、過大評価、過小評価となってしまいますので、慎重に判定する必要があります。


通常規模の戸建住宅の敷地や1枚の畑であればそう迷うこともありませんが、戸建住宅地でも建物に比して庭が広大であったり、竹林が隣接していたり、倉庫や納屋があったりすると途端に悩ましくなります。また畑も山林、雑種地などが隣接している場合は、どのように評価単位を分けるべきか迷いますね。
この点につき、財産評価基本通達では以下のように記載されています。


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(土地の評価上の区分) <財産評価基本通達より抜粋>
7 (略)市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、市街地農地、市街地山林、市街地原野及び宅地と状況が類似する雑種地のいずれか2以上の地目が隣接している場合で、全体を一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の土地ごとに評価するものとする。

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この「全体を一団として評価することが合理的と認められる場合」というのは、どういう場合でしょうか?
例えば住宅街の中にある宅地に隣接する雑種地。

現況地目が雑種地とはいえ、周辺は宅地ばかりですから、その雑種地の価格は周辺住宅地の価格に大きく影響を受けます。
税務評価上も宅地比準を原則的な評価方法としていますから、結局はその雑種地も宅地の評価方法に近いものとなります。

それなら、宅地とその隣接する雑種地は全体を一体地として評価するのが合理的ということになります。

これに対し、住宅地域の中で、広大な農地と広大な林地が隣接しあっているような場合、
その形状、地積の大小、位置等からみても、それぞれが単独で宅地の効用を果たすと認められる場合には、一団としては評価しません。

つまり、各地目ごとに評価しても無道路地にもならず、地積が小さくなりすぎず、画地形状も整形で、そのまま市場で売れそうな土地の場合は、
評価単位を分けるのが合理的といえます。

ちなみに、建物が建っていても「使用貸借」の場合は税務評価上は建物が建っていないものとして扱われますので、評価単位を分けません。
農地で「生産緑地」に指定されている場合は、評価単位を分けます。

評価単位の分け方次第で広大地が適用可能になったり、評価額を下げられたりしますので、
評価単位の分け方で迷ったら、
お気軽にメール(soudan@kodaichi.jp)かお電話(03-5909-1767)でご連絡ください。

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このページは、skamakuraが2011年1月11日 14:52に書いたブログ記事です。

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