なぜ広い土地は減価できるのか ~広大地補正率がある理由~

そもそもなぜ広い土地は減価できるのでしょうか?


結論から言います。


広い土地は実際の売買市場では総額が大きくなるため、買い手が限定され単価が下がるからです。


詳しく言えば、買い手が分割して再販する場合、道路や路地状の敷地が生ずることになり、
その部分はゼロもしくは安くしか売れず、その分を見込んで買い手は買い値を決めるため単価が下がるから、です。
更に言うなら、買い手が再販するときにかかる人件費や広告費といった経費や
利益分を見込んで買値を決めるからです。

だから広い土地は単価が下がるのです。

ここのところをはっきり認識していないと、評価通達の形式基準にとらわれて広大地の適用を躊躇してしまいます。


実際の売買市場で100㎡の土地と3,000㎡の土地が同じ坪単価で取引されることは、ほとんどありませんからね。


ですから、広い土地はつぶれ地が生じる生じないにかかわらず、市場での単価は下がるので減価したいところです。
(奥行価格補正や不整形地補正だけでは市場価値水準にまで減価しきれません)

「税務署は路地状敷地で分割案を出してくるのではないでしょうか?広大地を否認されるのではないでしょうか?」

こういった心配や、過少申告加算税などのリスクがあるものの、
市場価値という観点から適正に評価して広大地を適用しているんだ、
という意識を強く持つことです。


われわれ専門家が「これは広大地でいきましょう!」と提案しても、
申告書を作る当の先生方が「ほんとに大丈夫かな・・・」なんて
消極的になってしまうと、認められるものも認められなくなります。


重い相続税に苦しむ納税者の方々のために、
少しでも「適正に」評価額を下げる方法を一緒に考えませんか?


このブログ記事について

このページは、skamakuraが2010年5月26日 20:42に書いたブログ記事です。

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