「介在山林」を広大地ではなく「純山林」として評価するには ~その1~

評価していて悩ましいのは、固定資産評価上の「介在山林」ですね。

財産評価基本通達では「市街地山林」として評価する場合が多いでしょう。
市街地にある山林の体をなしている土地です。

このような土地は路線価が設定されている道路に接していることが多いため、
通常評価でいくと相続税評価額はかなり高く評価されます。

現地は高低差も大きく、開発費用がかかりすぎるため
宅地分譲の素地には適さない。

こんな土地(山林)は広大地評価を適用しても時価より高く算出されてしまいます。

市場に売りに出した時、どう考えても「宅地の素地」としてでなく、「山林」としてしか
取引されないような土地は、いくら市街地にあろうとも
「山林」の価格として評価したいところです。


それでは、どうすれば山林、つまり「純山林」としての評価が可能になるのか。


方法は2通りあります。

1つめは、経済合理性から判断する方法。

その山林を戸建分譲業者が仕入れて開発する場合の投資採算価値(いわゆる仕入れ価格)と、
宅地開発に要する造成費の合計が、完成後の宅地の分譲総額を上回る、
という検証結果が得られれば
「純山林」としての評価が可能になります。
(この試算には鑑定評価の開発法という評価手法を使います)

「素地としての山林の仕入れ値+造成費>宅地分譲価格の総額」

という検証結果が得られればよいのです。


戸建分譲業者は、儲からない事業と判断されればその山林を宅地分譲の素地としては買いませんからね。

これらを数値で検証し、純山林としての評価になることの証明を作文して申告書に添付すればOKです。


みらい総合鑑定では「広大地評価でなく純山林評価となることの意見書」を作っております。
ご希望の先生方は純山林評価が可能かどうか、まずはお電話にてお問い合わせください。

このブログ記事について

このページは、skamakuraが2010年5月17日 18:46に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「鑑定事務所以外のコンサル会社は広大地評価に消極的」です。

次のブログ記事は「広大地の現況測量はすべきかどうか」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。