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広大地補正率は様々な減価要因を織り込んでいるという考え方に基づいているため、原則として他の減価要因とは重複適用ができません。
しかし、一部の減価要因については重複適用が認められていますので、減価もれのないよう注意してください。
広大地評価における各種補正率の重複適用の可否は以下のとおりです。
通達 | 項 目 | 重複適用の可否 |
15 | 奥行価格補正 | × |
16 | 側方路線影響加算 | × |
17 | 二方路線影響加算 | × |
18 | 三方又は四方路線影響加算 | × |
20 | 不整形地の評価 | × |
20-2 | 無道路地の評価 | × |
20-3 | 間口が狭小な宅地等の評価 | × |
20-4 | がけ地等を有する宅地の評価 | × |
20-5 | 容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価 | × |
24-6 | セットバックを必要とする宅地の評価 |
× (H16の改正前 までは○) |
24-7 | 都市計画道路予定地の区域内にある宅地の評価 | ○ |
25 | 高圧線下地の評価 | × |
27-5 | 区分地上権に準ずる地役権の評価 | × |
40-2 | 広大な市街地農地等の評価 | ○ |
40-3 | 生産緑地の評価 | ○ |
(広大地の評価)
24-4 その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で都市計画法第4条((定義))第12項に規定する開発行為(以下本項において「開発行為」という。)を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの(22-2((大規模工場用地))に定める大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの(その宅地について、経済的に最も合理的であると認められる開発行為が中高層の集合住宅等を建築することを目的とするものであると認められるものをいう。)を除く。以下「広大地」という。)の価額は、原則として、次に掲げる区分に従い、それぞれ次により計算した金額によって評価する。(平6課評2-2外追加、平11課評2-12外・平12課評2-4外・平16課評2-7外・平17課評2-11外改正)
(1) その広大地が路線価地域に所在する場合
その広大地の面する路線の路線価に、15((奥行価格補正))から20-5((容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価))までの定めに代わるものとして次の算式により求めた広大地補正率を乗じて計算した価額にその広大地の地積を乗じて計算した金額
(2) その広大地が倍率地域に所在する場合
その広大地が標準的な間口距離及び奥行距離を有する宅地であるとした場合の1平方メートル当たりの価額を14((路線価))に定める路線価として、上記(1)に準じて計算した金額
(注)
1 本項本文に定める「公共公益的施設用地」とは、都市計画法第4条≪定義≫第14項に規定する道路、公園等の公共施設の用に供される土地及び都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第27条に掲げる教育施設、医療施設等の公益的施設の用に供される土地(その他これらに準ずる施設で、開発行為の許可を受けるために必要とされる施設の用に供される土地を含む。)をいうものとする。
2 本項(1)の「その広大地の面する路線の路線価」は、その路線が2以上ある場合には、原則として、その広大地が面する路線の路線価のうち最も高いものとする。
3 本項によって評価する広大地は、5,000平方メートル以下の地積のものとする。したがって、広大地補正率は0.35が下限となることに留意する。
4 本項(1)又は(2)により計算した価額が、その広大地を11((評価の方式))から21-2((倍率方式による評価))まで及び24-6((セットバックを必要とする宅地の評価))の定めにより評価した価額を上回る場合には、その広大地の価額は11から21-2まで及び24-6の定めによって評価することに留意する。
平成16年の改正で「広大地評価」の計算方法が大幅に簡略化されました。
(平成16年6月4日付で『財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)』)
従来の「広大地」の評価方法は
「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大な宅地」の地積の内、「公共公益的施設用地(道路、公園等)となる部分の地積」を控除した地積が占める割合を補正率として、奥行価格補正率に代えて適用する
というものでした。
この方法では「公共公益的施設用地となる部分の地積」を算定する必要があり、不動産の専門的知識を要する開発想定図を作成しなければならなかったため、これが非常に広大地評価を困難にしていました。
従来の評価方法のもとでは、それに従わず不動産鑑定評価書に基づいた申告が多く見受けられるようになり、お金をかけた申告者だけが納税額を下げ得るという不公平性を是正する意味もあり、改正が行われたようです。
平成16年の改正で開発想定図の作成の必要性はなくなりましたが、広大地評価適用の可能性及び対税務署への説得力を高めるため、作成して申告書に添付すれば安心かと思われます。
計算式自体は簡単になり、簡単に土地の評価減をする事が出来るようになりました。
しかしその前提となる「広大地に該当するか」という判断は依然として難しいといえます。
広大地に該当しない場合は、評価額が「高い」と感じるかもしれません。
このような場合、評価額を適正に下げる方法があります。
特に、以下のような土地は検討の余地があります。
・市街化調整区域内の雑種地
・市街地農地
・市街地周辺農地
・市街地山林
・市街地原野
・無道路地
・ゴルフ場
・生産緑地
など
このような土地は時価と税務評価との乖離が大きくなる傾向があります。
こんな時、悩まずに、鑑定評価によって評価額が下がるかどうか、診断してみることをお勧めします。
鑑定評価額は時価として認められますので、申告にあたって不動産鑑定士の発行する「不動産鑑定評価書」を添付すればよいだけです。
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