広大地判定で知っておくべき7つのポイント - 不動産鑑定士による広大地相談SOS

広大地判定で知っておくべき7つのポイント

広大地判定で悩まないために知っておくべき7つのポイントとは?

「この土地は広大地に該当するだろうか・・・」と悩んでいる税理士先生方へ

・マンション適地だろうか?戸建分譲用地だろうか?
・近隣の標準的な面積より著しく大きいといえるだろうか?
・大規模工場用地なのだろうか?
・区画割りするときに開発道路を入れる必要があるだろうか?
・アパートが建っているが広大地評価できないのか?
・500㎡未満だが広大地に該当するか?
・市街化調整区域内にある土地も適用できるのか?

広大地の判定は非常に難しい。次から次へと疑問がわいてくる。
一番手っ取り早いのは、納税者の費用負担で不動産鑑定士に「広大地判定の意見書」を作成してもらうことです。これを申告書に添付すれば悩むことはない。しかし、すべての案件でプロに頼るわけにはいきません。ある程度自分でも広大地に該当するかを判定できるようになりたい。
そんな先生方のために、広大地判定で知っておくべきポイントをご解説します。

ポイント1
大規模工場用地かどうか。
大規模工場用地の代表例は、大規模な工業団地の中にある土地でしょう。周辺も工場や研究所、物流施設などに利用されている土地です。このような場合、用途地域が工業専用地域、工業地域であることが多いので、すぐに判定できます。悩ましいのは、やはり準工業地域にある広大な土地でしょう。判断のポイントは対象地周辺に、
・今もきちんと稼働している大規模な工場がある
・高速道路インターチェンジから近くアクセスも良い、
などの条件を満たしていれば工場用地といえるでしょう。逆に、住宅地域に移行している地域で、戸建用地としての需要が高まっている地域であれば工場用地とはいえません。


ポイント2
対象地が大きいといえるかどうか。
まずは対象地が開発基準面積より大きいかを数値で確認します。
対象地周辺の土地の大きさを住宅地図上でチェックしてください。それで判断がつかない場合の、一つの目安になるのが、公示地の面積です。対象地周辺の地価公示の標準地(都道府県地価調査の基準地でも可)の面積と対象地の面積を比較して大小を検討します。

ポイント3
戸建分譲用地としての利用が最適かどうか。マンション適地かどうか。
住宅地図、googleストリートビューなどで、対象地の周辺はどんな利用が多いかをじっくり見て下さい。戸建住宅が多いのか、アパートや賃貸マンションが多いのか、店舗が多いのか、畑ばかりか、駐車場が多いのか。たとえば閑静な住宅街の中にある、広大なお屋敷などはまさしく戸建分譲用地が最適といえるでしょう。
なお「広大地の判定に当たり留意すべき事項として」として発表された平成17年6月17日付資産評価企画官情報第1号(いわゆる「17年情報」)では、「マンション適地の判定」として、
『評価対象地について、中高層の集合住宅等の敷地、いわゆるマンション適地等として使用するのが最有効使用と認められるか否かの判断は、その土地の周辺地域の標準的使用の状況を参考とすることになるのであるが、戸建住宅とマンションが混在している地域(主に容積率200%の地域)にあっては、その土地の最有効使用を判断することが困難な場合もあると考えられる。このような場合には、周囲の状況や専門家の意見等から判断して、明らかにマンション用地に適していると認められる土地を除き、戸建住宅用地として広大地の評価を適用することとして差し支えない。』とされています。

ポイント4
アパートや賃貸マンションが建っている土地でも広大地評価できるのか
「17年情報」では、『例えば、戸建住宅が連たんする住宅街に存する大規模店舗やファミリーレストラン、ゴルフ練習場などは、その地域の標準的使用とはいえないことから、「現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地」には該当しない。』とされています。
要は、評価対象地のポテンシャルを最大限に生かす利用方法が何か、ということがポイントです。現に、アパートや店舗が建っていても、それがその土地の最有効使用でなければ広大地評価できます。また需給バランスからみて、更地にしたとき戸建分譲用地としての方が高く売れるのであれば、広大地に該当する可能性は高くなるといえます。

ポイント5
区画割りするときに開発道路を入れる必要があるだろうか
これが最も悩ましいですね。税務当局とも争点になりやすいです。
特に、1,000㎡未満、500㎡未満の場合は慎重に検討する必要があります。
結論からいうと、開発道路を入れる必要がある場合の一つの目安は、①角地でない ②間口より奥行きの方が長い ③奥行きが25~30m以上ある ④間口が極端に広い などです。

ポイント6
500㎡未満だが広大地に該当するか
開発指導要綱による開発許可の基準面積を下回る場合は、ポイント5で解説した開発道路の新設の有無が最大のポイントとなります。対象地周辺に、ミニ開発で道路を新設した分譲地があれば広大地の可能性は高まります。逆に道路を新設せずに敷地延長(いわゆる旗竿地)で分譲された事例があれば、広大地の可能性は低くなります。
それ以外には、前面道路幅員による容積率の制限をチェックすることです。例えば容積率が300%の住宅系地域でも、前面道路の幅員が4mしかない場合は、容積率は4×0.4=160%に制限されます。中高層の建物が建ちませんから戸建分譲用地の可能性が高まります。道路に一方しか接していない土地であれば広大地の可能性は更に高まります。

ポイント7
市街化調整区域内にある土地も適用できるのか?
この点については「17年情報」で、『市街化調整区域内の宅地が広大地に該当するかどうかについては、「条例指定区域内の宅地」であり、都道府県の条例の内容により、戸建分譲を目的とした開発行為を行うことができる場合には広大地に該当するが、それ以外の区域内に存するものについては、広大地に該当しない。』
と明確になりました。ただ、上記条件に合致して広大地に該当するかどうかは、詳細な役所調査が必要となります。

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